産婦人科医暦45年のDr.Toeによる趣味のサイト
東條純一(JH3AEF) 故田路嘉秀(JA3XZW)
被災妊産婦の声
震災時、被災地に居住し、震災日を含め後3ヶ月以内に兵庫県下で出産した妊産婦からよせられた1924通の生の声(上記疫学調査による)全例を精読し、筆者なりに咀嚼、加筆した。妊娠中の女性は自らの体調と自分を取りまく環境にはことのほか敏感であると共に、主治医とは定期的な検診を通じ、非常に密接に結ばれているものである。この様な点から見たとき、その声は極限状況に於ける人々の健康と医療に対する心の底からの声を如実に語るものと言って過言ではないであろう。
1)正確で信頼できる情報をください。
いったいどうしたらいいのか?
いったい 何が起こったのか?
自分たちはどのように行動するのが最も安全なのか?
傷病者は、どのような手段で、どちらへ搬送すればよいのか?
向後起こりうる事象にどのような心構えが必要なのか?
行政、消防、警察等からの迅速で信頼できる広報がほしい。
医療機関の応需情報を下さい。一体どちらの医療機関へ行けば診てもらえるのでしょう
2)鉄壁の救護体制を整えて下さい。
医療機関だけは壊れないでほしい。
如何なる状況下でも機能する中核医療施設を確立してください。
被災地では医師もパラメデイカルも医療施設も被災していることは充分理解できます。それでも 一次医療は現場でしのぎながら続けていただきたいのです。
3)医療機関の間の連絡確保をしてください。
医療機関に、さあ、どうしようと言われても、私たちは途方にくれるばかりです。
被災し,限られた状況下での患者の後送は正確な情報伝達がなければ始まらないのではないでしょうか。
4)患者の搬送、救急隊 消防車の到着に手間がかかりすぎます。いや絶望的です。
もう少し早く到着していれば。こんなことではとっても間にあわない。
直後からの交通規制を厳格にしなければ。渋滞、渋滞、渋滞でどうにもなりません。
5)事後のfollow up を望みます。
重傷病者、老人等に対する行政、保健所、医療機関による積極的 なfollow up を望みます。
6)援助活動は適切に
迅速、適材、適所、適量、公平に。
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