産婦人科医暦45年のDr.Toeによる趣味のサイト
政府は平成13年、規制改革三ヵ年計画を閣議決定し、その改革案の一つとして、商用電力を供給する電力線を用いてデータ通信を行う電力線搬送通信に関する法的緩和が検討されてきた。
即ち、現行制度ではこの通信方式に使用できる周波数は10KHz〜450KHzと定められており、低速のデータ通信に利用されているが、IT化が叫ばれるなか、利用周波数を拡大し(2MHz〜30MHz)高速データ通信に対応可能にするための緩和が求められてきた。
これに対し総務省では平成14年4月、「電力線搬送通信設備に関する研究会」を設置し、使用周波数の拡大について、既存の無線設備、その他(医療を含む)の設備との共用を検討し、日本医師会からもヒアリングの席上、医療設備への電磁障害の懸念を表明したところである。
その結果、同年8月、現時点において電力線搬送通信設備に使用する周波数帯の拡大は困難であること、技術の研究開発の促進等のために実証実験を実施できる環境整備を行なう事などが提言された。
今年にはいり、3月の「規制改革推進3ヵ年計画 再改定」では、上記後段の周波数帯域拡大による漏洩電波低減技術についての実証実験の実施が提言され、同7月e-Japan戦略?、同8月e-Japan重点計画2003において、家庭内の電力線の高速通信への活用が、現段階では電磁障害という難題をかかえるものの、一方では家庭内における高度なサービス提供など、新しいIT社会基盤の整備に非常に重要であることも提言された。
これ等の経緯を踏まえ総務省では、電力線搬送通信設備(2MHz〜30MHz使用)に関する実験制度の導入の方針を決定し、電波法施行規則等の関係省令の一部改正案等を作成し、現在(15,8,29〜9,26)、関係各方面からの意見募集を実施しているところである。
総務省はPLC実験制度の導入にむけ、電波法施行規則等の一部改正案等についての意見募集を実施した。( 平成15年8.29〜9.26)
再度 日本医師会名で総務省に意見書を提出
日本医師アマチュア無線連盟では、9月10日、上記意見募集に対し、医療面での安全性を確保すべく、日本医師会名での意見陳述をしていただくべく、日本医師会会長及び担当部署に、再度、要望書を提出した。
要 望 書
日本医師会 会長 坪井 栄孝 殿 平成15年9月10日
日本医師アマチュア無線連盟
会長 東條 純一
現在、総務省が技術の研究開発のため検討している高速電力線搬送通信設備に関する実験制度について、その実験設備を運用しようとするものがおこなう事前説明は、医療機器の集中する医療機関、医療施設外で各種医療用機器を稼動する個人に対してもおこない、不測の事態防止に努めることが重要である。上、日本医師会として表明されることを強く要望する。
記
政府は平成13年、規制改革三ヵ年計画を閣議決定し、その改革案の一つとして、商用電力を供給する電力線を用いてデータ通信を行う電力線搬送通信に関する法的緩和が検討されてきた。即ち、現行制度ではこの通信方式に使用できる周波数は10KHz〜450KHzと定められており、低速のデータ通信に利用されているが、IT化が叫ばれるなか、利用周波数を拡大し(2MHz〜30MHz)高速データ通信に対応可能にするための緩和が求められてきた。
これに対し総務省では平成14年4月、「電力線搬送通信設備に関する研究会」を設置し、使用周波数の拡大について、既存の無線設備、その他(医療を含む)の設備との共用を検討し、日本医師会からもヒアリングの席上、医療設備への電磁障害の懸念を表明したところである。
その結果、同年8月、現時点において電力線搬送通信設備に使用する周波数帯の拡大は困難であること、技術の研究開発の促進等のために実証実験を実施できる環境整備を行なう事などが提言された。
今年にはいり、3月の「規制改革推進3ヵ年計画 再改定」では、上記後段の周波数帯域拡大による漏洩電波低減技術についての実証実験の実施が提言され、同7月e-Japan戦略?、同8月e-Japan重点計画2003において、家庭内の電力線の高速通信への活用が、現段階では電磁障害という難題をかかえるものの、一方では家庭内における高度なサービス提供など、新しいIT社会基盤の整備に非常に重要であることも提言された。
これ等の経緯を踏まえ総務省では、電力線搬送通信設備(2MHz〜30MHz使用)に関する実験制度の導入の方針を決定し、電波法施行規則等の関係省令の一部改正案等を作成し、現在、関係各方面からの意見募集を実施しているところである。
以上
これを受け、日本医師会では、ことの重要性に鑑み、9月25日以下のような意見を上申した。
総務省総合通信基盤局電波部電波環境
平成15年9月25日
日本医師会
電波法施行規則の一部改正案等に対する意見
日本医師会では昨年実施されました電力線搬送通信設備に関する研究会ヒアリングにおいて、電力線からの漏洩電波問題には大いに懸念している旨表明いたしました。
今や、各種医療機器、生命維持装置、検査機器等、医療施設で稼動する機器類は医療の進歩とともに増加の一途をたどり、その誤作動は人命を脅かしかねません。これらの機器類には、人体に埋め込まれ、また装着されているケースもあります。これら機器類への影響が僅かでも懸念される電力線搬送通信には、可能な限り慎重に対応しなければなりません。
したがって、総務省が今回実施する実験は、安全を確保するためにも、多くの人が活動する地域、医療施設や在宅医療機器稼動者が混在する都市部や市街地を離れ、周囲に対する影響の少ない地帯での実施が望ましいといえます。
つきましては、今回の実験研究活動は電力線利用の安全性を確認・担保したうえで推進されますよう、貴省が実施されます意見募集に対して下記の諸点を要望いたします。
記
T 実験設備の設置許可に当たっての条件
2
漏えい電界強度低減対策に関する事項
B通信設備以外の設備に医療用設備、在宅医療機器使用者を含むことを明記する。
C通信設備以外の設備に医療施設、在宅医療機器使用者を含むことを明記する。
E無線設備以外の設備を所有する者に対する説明には、必ず医療施設及び在宅医療機器装着者を含むことを明記する。
3
混信等への対応
(6)その他の施設に医療施設、在宅医療機器使用者を含むことを明記する。
4
影響を受けるおそれがある設備にたいする事前対応に関する事項
@無線設備以外の設備に医療施設及び在宅医療機器使用者を明記する。
U 総務省としての対応
(1)その他の設備に医療施設、在宅医療機器使用者を含むことを明記する。
上記各項目は「実験用高速電力線搬送通信設備の設置許可の方針(案)」に対応する。
担当:日本医師会情報企画課
沼澤
勝美
総務省が意見募集の結果を公開
平成15年11月7日
総務省
電波法施行規則の一部改正案等に対する意見募集の結果
−高速電力線搬送通信設備に関する実験制度の導入−
総務省は、電力線搬送通信設備(2MHzから30MHzまでを使用)に関する実験制度の導入に向け、電波法施行規則等の一部改正案等について、平成15年8月29日から平成15年9月26日まで国民の皆様からの意見の募集を行いました。 |
1 意見募集の対象 |
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(1) |
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実験用高速電力線搬送通信設備の設置許可の方針(案) |
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(2) |
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電波法施行規則改正案[新旧] |
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(3) |
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無線設備規則改正案[新旧] |
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(4) |
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無線局免許手続規則改正案[新旧] |
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(5) |
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無線設備規則改正関係告示案 |
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(6) |
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高周波利用設備許可関係審査基準改正案[新旧] |
2 主な意見に対する総務省の見解 |
提出された主な意見に対する総務省の見解は、別紙(PDF)のとおりです。
3 提出意見 |
提出された意見の全文は、総務省のホームページ(PDF)で公開します。
<連絡先> |
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関係報道資料 |
「電力線搬送通信設備に関する研究会」報告書の公表 |