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うまく避妊できたか心配です         避妊 見出しの頁へ

リング IUD (=子宮内避妊器具) による避妊法


IUDとは

子宮の中に合成樹脂で出来た小さな器具を入れて避妊効果を得る方法です。

IUDは誰でもが利用できるのですか

この避妊法は出産経験のあるひと(=経産婦)が利用する避妊法です。

IUDは今でも好んで利用する人もいます(長所)

古くから利用されてきた歴史のある避妊法で、経口避妊薬全盛の現在でもいまだに根強い人気のある避妊法といって間違いありません。
そのわけ
1.とにかくわずらわしくないのが特徴であり、利点でもあります。一度装着したら、ピルのように毎日薬をのむ必要もありません。SEXがあるからといって何か用意 しなければならないという煩わしさもありません。ただ、定期検査だけは受けるようにして下さい。

2.IUDは一度装着したら不都合の無い限り約二年の間は交換や抜去する必要はありません。多くのIUDの取り扱い説明書には約二年で交換、抜去することが望ましいと 記されています。

3.ピルほどの高い避妊効果ではありませんが、日にちの計算をするリズム法や、コンドームを使う避妊法に比べると、はるかに確実な避妊効果があります。 具体的には100人のSEXのある生活をいとなむ女性が一年間IUDで避妊した場合に妊娠してしまう割合は4人といわれています。

4.致命的な副作用といわれるものがありません。

IUDの短所といわれる点は

1. 避妊の確実さがピルに比べ低い。
2. 産婦人科医療機関での装着が必要である。
3. 装着、抜去に瞬間的ですが多少の痛みをともなう。
4. 人により生理の様子が変わったり、生理痛の様子が変わる、不正出 血など軽微な変化が起こる場合がある。
5. 自然に抜け落ちる場合がある(滅多にありませんが)

IUDの使用が適切でない人とは

1. 出産経験の無い人。
2. 筋腫など子宮の形のうえで変形のあるかたや、婦人科的炎症性病変のあるかた。
3. 日頃から生理痛が非常に強い、または月経量の非常に多いかた。
4. 出血性素因のあるかたや、やむをえない理由により免疫力が低下しているなど、医師が不適当と判断したかた。

IUDについてのQ&A


IUDはいつでも入れられますか

いいえ、月経がほぼ終了(うっすらと残っているくらいでもかまいません)してから4~5日の間に入れるのが適切です。この時期は排卵の前で妊娠の可能性が非常に低く、 妊娠した体にIUDを装着してしまう危険が無いからです。 また、月経直後は子宮頸管が弛緩(ゆるくなる)しており、IUDの挿入が無理なく行えるからです。当然、痛みも 少なくてすみます

人工妊娠中絶をうけました。一緒にIUDを入れてもらうことはできますか

いいえ、同時にすませることは避けてください。 中絶後、一ヶ月すれば次の生理がきます。その 生理の終わりがけに挿入するようにしましょう。子宮が手術の負担から回復するのを待つためです。二ヶ月間待ちましょうとする指導書もあります。まれに、同時に装着しても かまわないとする教科書もありますが、私は同時装着は極力避けています。 妊娠初期の流産の処置を受けられた後も同様にお考え下さい。

出産後は、いつからIUDを利用したらよろしいですか。

私は生理が規則正しく再開されたらとお奨めしています。その理由は IUDの避妊効率にあります。産後の子宮の回復を待ってという理由もありますが、IUD を入れていても妊娠してしまうケースのあることを考えると、まだ生理が再開していない時期からの利用は、不測の妊娠に対する危険信号を知らずに時を過ごしてしまう危険が ありお奨めできません。 判りやすくいえば、「生理が始まってからでなければ妊娠していてもわからないでしょう」ということです。

妊娠を希望する場合はどうしましょう。

IUDをはずしてもらえばいつからでも妊娠を予定してかまいません。

IUD装着後の定期健診についてお聞かせ下さい。

私が今まで見てきた取り扱い説明書や産婦人科の指導書にはすべて、装着一ヶ月後、三ヶ月後、六ヶ月後、一年後には来院していただき、装着状況の確認をすること、一年を 過ぎれば六ヶ月ごとに検診を受けるように記されています。 しかし、私はIUDを装着した女性がもっと気楽に毎日を過ごしていただけるように以下のようにお話しています。でなければ、せっかくIUDを選択していただいた価値が意味の 無いものになってしまうのではないでしょうか。 当院では次のような問題点が無ければ約一年後の検診をお奨めしています。 次のような諸点が見られる時は必ず受診してください。
1. 生理がこないとき  
2. 妊娠を思わせるような症状がでたり、検査結果がでたとき
3. 生理の出血が異常に多かった、生理痛が非常に強くなった、不正出血が見られるなどのとき
4. 思い当たる理由も無いのに腹痛を感じるとき
5. おりものに異常を感じたり、腰痛や腹痛をともなうとき
6. 膣内に異物感があったり、IUDの自然脱出を見つけたとき

一年に一度の検診はIUDの装着の有無に関わらず、女性特有の疾患の定期健診としても非常に大切なことです。また、二年が経てば定期健診と入れ替えまたは抜去の時期です。 説明書の検診の回数からいえばかなりの簡素化です。しかし、IUDを利用される年齢層の女性の忙しさを考えるとき、なかなか説明どうりの検診を受けていただけないのも充分 理解できるところです。 私の約四十年にわたる産婦人科医経験からいたしましても、このような考え方で大きな不都合は無いものと考えております。

生理がこない、もしかして

IUDを抜去するときは 特に制限はありませんか

生理の終わりがけ、終わった直後が適切な時期です。

IUDを挿入する時、抜去するとき麻酔はするのですか

普通はしません。現在使用されているIUDは挿入も抜去も非常に簡便容易に出来るよう考案されています。特に麻酔の必要はありません。

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