平成24年度(24年4月1日から1年間)
子宮頸癌ワクチン公的接種継続の予算が国会で成立しました
平成24年4月に中学1年になる女子が新たに公的接種(無料接種)を受けられることになります。
同時に23年度第1,2回目の接種を受けた生徒は、残りの接種を公的接種で受けることが認められました。
細部の通達はまだ届いていませんが5月1日より実施が始められるとみられています。
ワクチン不足は平成23年7月、おおよそ解消しました
以下はワクチン不足の経過について述べられていますが、現在(平成24年)は不足問題は解決しています。
平成23年2月から子宮頸癌ワクチン(以下HPVワクチンと略す)の公的接種が始まったことは、このホームページでもお知らせしたとうりです。もちろん皆様はテレビ、ラジオ、新聞などにより広くご存知のことでしょう。
ところが、この公的接種が始まってわずか一ヶ月が過ぎようかという3月5日、突然このワクチンを製造している製薬会社の人間が来院し、予防接種の実施を一時中止せよと言うのです。同日、同じ内容の通達が日本医師会からもFAXで届けられました。
理由はワクチンが足りなくなったからだそうです。
平成23年 3月 4日 日本医師会感染症危機管理対策室 通達
予測もしなかった重大な副作用でも発生したのなら突然中止の処置も仕方ありません。
一昨年の新型のインフルエンザが突然猛威をふるったケースのように、事情によっては
ワクチン製造が間に合わない場合も当然あることでしょう。
しかし、今回の場合は全く事情が違います。HPVワクチンは今まで永年にわたり人を
苦しめてきた子宮頸癌を予防するために、全く新しく導入された予防接種です。
接種対象者をどの範囲にするのか、その結果、総勢どのくらいの人が接種を受けることになり、どれだけの数のワクチンが必要になるのか、誰がどこで接種するのか、いつから接種を始めるのか、被接種者の負担額をどのようにするのか等など、事前に充分吟味検討することは出来たはずです。更に、その需要を満たすだけのワクチンの確保はできているかの確認は基本の基本であることは言を待ちません。全額公費負担で、開始は直ちにこの二月からだけを大きく打ち出して、始めてみたら一ヶ月でワクチンが足りませんでは余りにもお粗末です。
製薬会社がその不始末の大きな責任を負わされるような情勢がみてとれますが、明らかに行政の人気を取らんばかりの勇み足が招いた大不始末といえるでしょう。
国民の健康を守る衛生行政、石橋を叩いて渡る慎重さが大いに欠けているのではないでしょうか。