産婦人科医 Dr.Toeのeトピア
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Dr.Toeのeアドヴァイス


子宮頸癌(HPV)ワクチンの公的接種がいよいよ始まりました

平成23年 2月 1日 からです。自己負担額はありません
     

当院で公的接種を受けることができるのは

東大阪市に住民登録しているかた

平成23年2月1日~平成24年3月31日の期間に中学1年~高校1年の年齢に相当する女子のみ。すなわち、中1、中2、中3、高1の女子、私立公立関係なく。

全額公費負担 規定により全3回の接種となります

更に今年度高二(平成6年4月2日生~7年4月1日生)にも公的接種拡大

この年齢以外の方に年齢制限、居住地制限はありません。

接種は上腕三角筋部に筋肉内接種、初回接種後1ヶ月後に第二回目、初回接種後
6ヵ月後に第三回目の接種を行います。三回接種することにより充分な免疫効果
が得られます

接種場所は東大阪市内の医療機関のうち東大阪市と公的予防接種の委託契約を
締結している医療機関においてのみ受けることが出来ます

副反応:厚生労働省が承認した同製剤の国内臨床試験結果では、局所の疼痛
発赤、腫脹、全身的な症状としても疲労、筋痛、頭痛などが報告されていますが
重篤な副作用は報告されていません。海外臨床試験の結果でも同様です。

以上が東大阪市保健所が本年1月、接種を予定している医療機関向けに発表した
子宮頸癌公的予防接種にかんする概要です。


ちなみに東大阪市が設定した接種単価は\15,939-、三回で\46,179-です
この出費が \ 0.- になるうえ、恐ろしい子宮頸癌を高率に回避できるのです
から決してこの機会を逃さず、お受けになることをおすすめ致します
この接種費用は国が半額、地方自治体東大阪市が半額を折半して拠出してくれて
います。


さらに産婦人科医 Dr.Toe からのご提案

子宮頸癌の予防接種は産婦人科でお受けになることが理想的です。なぜなら
その感染経路、感染の予防的処置、癌への発病のメカニズム、予防接種を受けて
なお心がけておかねばならない定期健診のありかたなど、皆様が知っていただかなければならない特別な注意事項があまりにも沢山あるからです。産婦人科でならそれらの事柄を充分にお聞きいただけ、ご理解もいただくことができるものと信じます。従来から実施されてきた、とりあえずすませれば良かった公的接種、例えば三種混合、麻疹、風疹、ポリオ、インフルエンザ等、各種の予防接種とは大きく立場を異にする予防接種であることをご理解いただきたく存じます。


ここで
Dr. Toe が 住民の健康福祉サービスにたいする施策について、市民の皆様(東大阪市民に限らず)、地方自治体、国に申しあげたいこと
があります。


住民の健康福祉サービスから行政の縦割りの制限を無くして下さい。

平たく言えば子宮頸癌を始め各種予防接種、子宮がん、乳癌検診など各種公的検診
どの町の医療機関でも受診できるようにして下さい。これが私の主張です。

今回の子宮頸癌の予防接種も従来どうり、接種を受ける皆様は行政の縦割りの決まりに
大きくしばられています。すなわち、大阪市にお住まいの方は東大阪市にある医療機関
では公的接種は受けることが出来ません。八尾市、大東市、門真市、、、、いや、時
には兵庫県、奈良県、京都府と、これだけ込み入った日本の国の中ではお向かいの医療
機関の方が自分の町の医療機関に行くよりどれほど近いか知れないケースがいかに多い
ことでしょう。
ちなみに私の医療機関は路地をはさんで大阪市に接しています。受診者の半数以上は大阪市在住の皆様です。この半数にあたる皆さんは、私のところでは公的予防接種を受けていただくことが出来ません。その他の公的検診にしても同様に受けていただくことが出来ません。公的扶助のある妊婦検診も他府県の妊婦さんはお受けいただく事が出来ません。

国は、市は、医師会は公的検診の受診率を向上させましょう、予防接種の受診率を向上させましょう。例えば、子宮癌検診の受診率が先進諸外国に比べ1/3, 1/4 と低率です。何とか皆さんご協力をと公的検診が始まって以来叫び続けています。それでも受診率が依然低率を続けています。

この低率を続ける原因の一つが行政の縦割りによる受診の不便さであることはあまり言われていません。

私は何十年も以前からこの縦割りの弊害と撤廃を主張していますが、だれも前向きにとらえようとはしてくれません。なぜでしょう。

皆さんが予防接種や検診を受けるための費用は国と地方自治体が折半するかたちで出資
してくれています。しかし、各自治体側には出資能力に差があるため、各自治体が住民のため同額の出資をしているわけではないのです。ここに隣の市の住民がこちらの地区の医療機関で公費接種や公費検診を受けられない大きな理由があるのです。
大阪府だけを考えても市と呼ばれる自治体がいくつあることでしょう。全ての市がてん
でばらばらの公的助成を行い、その結果、住民は受診の自由を奪われ、時には受診のため
に大きな負担まで課せられています。
さらには、医療機関では、自治体の枠組みを超えることの認められた一部の公的検診については、その請求をてんでばらばらに各自治体に請求しなければならないという事務的煩雑さをいやおうなしに強いられています。

何とかならないものでしょうか。

目先の損得、従来からのしきたりをさっぱりと捨て去り、広く国民のための健康福祉サービスという立場から、国の財政の分配の仕方を考える時が来ているように思います。
すなわち、各自治体の出資能力の格差は国の側で吸収調整し、住民に対するサービスは全国どちらに住み、どちらで受診しても一律に受けることができるような出資配分の方法を検討しなおせば、一時的にサービスの低下する地域が出るにしても、いずれは全ての国民が全国いずこの地においても同様の健康福祉サービスを受けることができるようになり、医療機関の事務的煩雑さも解消されるようになること間違いなしと考えます。


欧米で予防接種及び定期検診の受診率が高い理由
1.学校及び家庭(母親)での教育が徹底している。
2.ホームドクター制(産婦人科の)が普及している。
3.国費による無料検診制度が確立している。
4.個人への受診告知が徹底している。
  受診勧奨、再勧奨を実践している。(対象者を把握し、案内し、呼び出す。応じなけ  れば、再度案内し、呼び出す)
5.不検診者は医療保険に加入できない
2011 11 中河内産婦人科セミナー  府立がん予防検診センター 植田正嗣

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