生理がこない、もしかして
もしかして妊娠したのでは？
望まれる妊娠であれ、今は一寸困る妊娠であれ、女性と男性が出会っただけで妊娠するものではありません。 しかし産婦人科の診察室におりますと妊娠に関する質問、とくにテイーンエイジャー、なかでもロウテイーン、ミドルテイーンからの質問には驚かされるものがあります。たとえば彼が私の手の中で精液を出した（射精した）のですが、あるいは彼の精液を飲み込んでしまったのですが妊娠していないでしょうか等ほんの一例にすぎません。勿論そのようなことでは妊娠しません。 普通、妊娠が成立するためには、男性の性器（陰茎）が女性の性器（膣）に入った（挿入）状態で男性が射精することが絶対必要な条件です。ということは、ただ一度でもこの経験がある方は妊娠の可能性を否定することはできません。逆にそういう状態には至らなかった、または挿入はしても膣の中で射精しなかった場合、妊娠はありえないのです。
妊娠するにはタイミングがある
ただ一度だけの経験とは申しましたが、妊娠が成立するには女性側の体内でいとなまれている大原則に従っていなければなりません。女性の体では、万国共通、人種を問わず平均して２８日に一度のペースで生理（月経）がおこります。この生理の周期のなかの特定の日（少し幅をもたせて期間と言ってもいいでしょう）でなければ妊娠はありえないのです。その日、時期とは卵巣というところで起こる排卵、鶏の卵と同じ人の卵が送り出される時期をさしています。生理が始まった日から数えて１４日目、幅をもたせれば１１日目から１７日目ということになります。単純に生理の始まった日から勘定して１１日目から１７日目にセックスがあったのなら妊娠は十分考えられ、その他の日であれば妊娠の可能性は非常に低いことになります。ここで一つ注意しなければいけないのは、生理が不順でいつあるかわからない人、２８日よりも周期が大きく違っている人はこの勘定が出来ない、この勘定をしても役にたたないということを決して忘れないようにして下さい。
先生、いつ入った妊娠ですか
この質問をする女性が非常に多いのです。それって「だれの児」ということなのでしょうか。入ったという表現も私にはあまり気持ちの良い言葉ではないのですが。上の説明を理解していただいた方には何時ごろ妊娠したかはほぼ察しが付くはずです。強い生理不順のあるかたはドクターに相談するのが安心です。日にちの勘定からだけでなく、超音波を使った妊娠時期の推定も可能です。それにしても日替わりで相手が変わるお付き合いとは、私にとっては一寸ついていけません。いや、世の中いかにドライになったとはいえ、あまり好ましいことではないと思うのですが。