産婦人科医 Dr.Toeのeトピア
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Dr.Toeのeアドヴァイス

性感染症が心配です             性感染症 見出しの頁へ

私、へんな病気に罹っていないでしょうか

性感染症(S T D)の おはなし

私共の診察室へは、非常に多くの女性が性感染症の悩みを持って訪れます。 代表的なものはクラミジア感染症、淋菌感染症、性器ヘルペス、 尖圭コンジロームなどです。その他にも性感染症とは呼びませんが、同じようなルートで感染するカンジダ症、トリコモナス症も沢山みられ、特にカンジダ症に悩む女性は 非常に多くみられます。梅毒やエイズは数の上では少ないものの、感染の結果は非常に恐ろしく油断できない性感染症の仲間です。

生理がこない、もしかして

最近の性感染症の傾向として

1. クラミジア、淋菌感染者が年々増加、特にクラミジア症の増加は著しい
2. クラミジア、ヘルペスは女性の間の罹患率が男性を上回っている
3. 女性の10代後半から20代前半での罹患率が急増してきている
4. 性感染症が一般家庭へ広がる傾向が強くなってきている
などがあげられます。 さらに特徴的なことは感染による体の変化が無症候化(症状が表にあらわれないまま病気がすすむ)し、気がついたときには病状が予想以上にすすんで いる方を良くみかけます。
またエイズのように特殊な世界の病気と考えられていたものが、数のうえではまだ多くありませんが、一般家庭に潜入してくる例が徐々に増加の傾向を示していると報告されて います。
従来、性感染症というと、皆様も我々医療サイドでも、性器のまわりの病変を考えるのが普通でした。しかし最近では、エイズのように放置すると全身に広がり、致命的な結果を もたらす恐ろしい病気の存在が現実のものになってきているのです。
軽はずみな行動が取り返しのつかない結果につながらないよう、日ごろから節度ある行動をすることが、貴女を危険から守るということを忘れないように致しましょう。

さらに貴女が妊娠している場合

その性感染症を治療せずに放置しておくと、おなかの赤ちゃんが感染を起こしてしまう割合は次のように報告されています。
梅毒 90%, ヘルペス 40〜66%, エイズ 50%, クラミジア5〜40%,  カンジダ 10〜30%, 尖圭コンジローマ 0.1〜20%, トリコモナス 0.1〜0.6%   淋菌 不詳 。感染を受けてしまった赤ちゃんは致命的な結果を招くものから、脳炎、肺炎、結膜炎など、いやおうなしに多様の困難に直面せざるをえなくなってしまいます。可愛い貴女の赤ちゃんを不幸な目に合わさないためにも真剣に考えなければならない問題です。

検査は苦痛なく簡単です

疾病により、血液の検査がおこなわれるものと、膣分泌物から検査されるものがあります。


さらにひとこと

経口避妊薬(ピル)はほぼ確実といえるほど信頼できる避妊薬です。しかし、残念ながらピルには性感染症の予防の効果は全く ないことを忘れてはなりません。性感染症の予防のため必ずコンドームを使う習慣を身につけましょう。性感染症は体の粘膜と粘膜の接触、粘膜と精液の接触により感染して いきます。このルートを断ち切るのは現在のところコンドームの使用しか無いからです。

どのような症状がでたら産婦人科を受診したらよろしいですか

おりもの(帯下、たいげ)に注意してください。 ふつう生理のある女性には個人差はあるものの、全ての女性におりものはあります。あまりにも個人差が あり正常の範囲をきめるのは困難です。それでもあえて表現しますと、無色あるいはうすい白色、ときにうすい白黄色、時期によっては糸をひくように粘稠なときもあるのが 最もふつうでしょう。量としては生活に支障をきたさない程度の範囲のものが正常といえるでしょうか。 そのような理由から他人との比較はあまり判断の根拠になりません。 次のような時は一度産婦人科を受診されるべきだと考えます。
1. おりものが、なんとなく普段と違うように感じる
2. おりものに泡が混じるような感じがしたり、豆腐をつぶしたような白いものがまじる
3. 色が違う、生理でもないのに血が混じる、普段感じない悪い臭いがする
4. かゆみがある
5. 排尿時に痛みをかんじる
6. セックス時や後に外陰部、膣、下腹に痛みをかんじる
7. 外陰部にピリピリしたいたがゆさがある
8. 外陰部や粘膜面に1〜2mmの小さい水疱や、水泡がつぶれた状態がある
9. 外陰部、膣内に小さなザラザした突起物(いぼ)ができている
10. ふとももの付け根のリンパ節が腫れている、押さえると痛い
11. 首の側面リンパ節やその他の部のリンパ節が腫れたり、押さえると痛みを感じる
12. リンパ節が腫れたり押すと痛くて熱がでている
13. できちゃったセックスがあった

あまり神経質になりすぎないで

ふつう学校や職場内での感染、食器、プール、風呂、トイレの便座、事務機器などを介しての感染はおこりません。

ひとりがてんは禁物です

おりものが普通でないと思い込み、また、性感染症を検査も受けず恐れるあまり、膣内の消毒薬、洗滌液を購入し消毒、洗滌するひとが多く見受けられます。 しかし少しお待ち下さい。膣内には本来自分の体を清浄、清潔に保つための目的をもった細菌が住み着いており、体に有害な微生物が侵入したときには、これを撃退する役割を 果たしています。やみくもに膣内の消毒や洗滌をしますと、せっかく備わっている自浄作用(自分で自分自身の体を清潔に保つ働き)が無くなり、一瞬清潔に見えても、後は 無防備の状態、ばいきんの支配する最悪の状態になってしまうことをよくご理解ください。

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