妊娠12週に入りますと届出のこと以外に中絶の手法が大きく異なってきます。
先ず入院が必要になります。妊娠の進行状況により入院日数は異なりますが多くは4〜7日間が必要でしょう。
医療費も妊娠が進行した場合の中絶には、正常の出産の場合とあまり違わない出費が必要になる場合も少なくありません。
処置の実際は。12週に入って数日の間は、場合によっては11週までの中絶手技と同様に取り扱うことのできる場合もはありますが、大部分の場合は小型のお産をするのだと考えれば一番判りやすいでしょう。
入院第一日、時によっては第二日にわたっては子宮口が開くための準備に使われます。
この処置には昔からラミナリアと呼ばれる海草からつくられた薬剤が使用されてきましたが、最近では人工的に開発された非常に安全かつ効率の良い子宮頸管拡張材が利用できるようになりました。子宮口が充分な柔軟性と伸展性を持ち(子宮口が熟化するという)、開大を始めるために必要な準備が出来たか否かが、中絶をスムーズにすすめるための大きなポイントになります。
第二日目または第三日にはいよいよ陣痛を起こし、娩出に向けた処置に入ります。このステップでも現在では妊娠中期中絶のために開発された非常に有効な薬剤(膣座薬)が利用できるようになり、午前8時から処置を始めると非常に順調な例では午前中に、平均的には夕方までには中絶が終了します。
子宮が収縮(もとの大きさに戻る変化を始める)し、出血がおさまり、発熱など異常な症状が無いことを確認するため、退院は翌日、短い場合には入院第四日目になります。
妊娠の時期が進むに従い、子宮口も大きく開大することが必要になり、大きく発育した子宮内容を娩出しなければならないため、中絶のために必要とされる日数は永くなるのは明らかなことです。